Report | 宮城・岩手視察

ちょうど震災後3ヶ月を迎えた6月半ば、実行委員メンバーの佐々木、石田が宮城・岩手を訪れ、各所でプロジェクトのお話をさせていただくとともに、現地の住宅ニーズについてヒアリングを行ってきました。

6/10(金)

この日は住田町役場にて住田町長・多田欣一氏にお会いし、【仮り住まいの輪】の趣旨・概要についてご説明しました。

住田町は林業の盛んな地域です。震災後いち早く木造仮設住宅の建設を決断。いわゆる「プレハブ」とは異なる、杉材の仮設住宅を早期に提供したことで注目されています。
【仮設リノベーション】プロジェクトの新堀学さん・石田朋子さんと同行。

福島県で被災された方たちの場合、原発事故による退避を余儀なくされ、関東圏へ移住するという仮り住まいニーズがあります。しかし、宮城・岩手で被災された方は地元の復興を目指し、地域にとどまりたいとする方が多いことが分かってきました。

そこで宮城・岩手では避難所生活を余儀なくされている方が県内・近隣県へ一時的に避難する「Local to Local」の仮り住まい提供が必要だと考えていること、そのためには地域の方たちのご協力が必要であることをご説明。
県内で眠っている物件(通常、不動産物件として挙がってこない、間貸し等)掘り起こしの可能性について、町長と意見交換させていただきました。

その後、住田町の木造仮設住宅を開発・設計した
住田住宅産業株式会社を訪問。
2ヶ所の木造仮設住宅地を視察させていただきました。

 

 

6/11(土)

宮城県石巻市へ移動。

・仙台出身、勤め先のホテルで被災し、宿泊客のケアに当たった小倉典子さん
・ 地震直後に山形から自転車で故郷・石巻へ。【仮り住まいの輪】でマッチングサポートに奔走された高橋秀詠さん
・ 石巻復興支援プロジェクト【石巻2.0】の小泉瑛一さん
・ 仮設から本設への住宅支援プロジェクト【モバイル・すまいる】の天野美紀さん

こうした現地で活動する皆さんと合流し、門脇中学校避難所へ。今も避難所で暮らしている方たちにお話を聞かせていただくことができました。

・ 避難所を出てしまうと生活支援を受けられないから出られない。家財道具も買わないといけないので出費が心配
・ 仮設住宅の入居キャンセルがたくさん出ていると聞いている。ここには仮設待ちをしている人もまだたくさんいるのに…
・ 仮設住宅のキャンセルは、子どもたちが通う小学校から遠い、車がないので通えないという理由が多い。できるだけ同じ学校に通わせてあげたい
・ 避難所で住宅相談ができる窓口や、担当者がいない
・ お年寄りなど、仮設や借家に抵抗のある人も少なくないのでは
・ 自分はまだ働けるからいいけれど、年金生活の人が心配

このような声は報道でも聞かれますが、皆さん不安な状況の中、周囲の人や自分よりも困っている人たちのことを思いやる様子が印象的でした。

その後、避難所職員の方にご紹介を受けて石巻市役所へ。プロジェクト趣旨に理解をいただき、チラシを各避難所に置いていただけることになりました。

 

また石巻日日新聞社を訪れ、情報掲載のご協力を依頼。石巻日日新聞さんは、震災直後から手書きの壁新聞を発行し、地域内の情報発信・共有を精力的に行ってきました。
またミヤギテレビのディレクターさんにもご説明させていただく機会を得ました。

地域内の物件掘り起こしには、ご自宅が無事で“誰かの力になりたい”と考えている一般の方に【仮り住まいの輪】を知っていただき、物件提供いただくことも大切です。またすでに避難所を出てしまい、親戚の家などに身を寄せている二次避難者の方たちにも、未だ仮り住まいのニーズがあると考えられます。こうした方たちに情報を届けるため、新聞・テレビなどメディアの方たちのご協力が重要だと考えています。

 

またこの日は、実際に【仮り住まいの輪】で物件提供をされた高橋さんのおばあさまにお話をうかがってきました。

※高橋さん自身が、地震発生から被災者の方の受け入れまで経緯をまとめたレポートは、>こちら

テレビで沿岸部の被害状況を見て、困っている人にご自宅の空いている建物を貸してあげたいと思われたそうです。

「でもやり方がわからないので、地震後3日目くらいから『どなたか入りたい人』と自分で避難所を回った。一週間毎日、おにぎりとおかず、水を持って。朝と夕方に一日二回。避難所にいる人たちの様子を見たら、家にあるもの何でもあげたかった」(高橋さんのおばあさま)

そこに、孫の高橋さんが紹介してくれた【仮り住まいの輪】の仕組みがマッチしたとのこと。高橋さんが募集から問合せ、契約、部屋や備品の準備までサポートし、現在、4人のお子さんのいるご夫婦が住まわれています。まさにLocal to Localで「輪」が生まれる可能性を感じさせてくれる事例でした。

 

 

6/12(日)

岩手県陸前高田市へ移動。市議会議員・菅野広紀氏にご案内いただき、市内の被害状況を視察させていただきました。
また仮設住宅地となっているキャンプサイトも視察。住田町の木造仮設住宅も建設されている一方、同敷地内に長屋型タイプの仮設住宅も建設されていました。抽選でどちらの仮設住宅に入居が決まるかによって、住環境に大きな違いが出ることになりそうです。

 

陸前高田から気仙沼へ移動し、気仙沼市災害ボランティアセンター事務局へ。ガレキの撤去から仮設住宅での入居者サポートなども行っている下田寛典氏(日本国際ボランティアセンター)に、被災された方たちの住宅ニーズについてヒアリングしました。

「仮設以外の住宅ニーズはまだまだある。お墓があり親戚も皆住んでいる地域を離れて他地方へ移住するのは抵抗もあるだろうが、一関など近隣市街の物件提供があれば、かなり希望が多いと思う」(下田氏)

 

その後、気仙沼地域を中心とした地域紙「三陸新報」記者・三浦一樹氏とお会いしました。ご自身も被災され、避難先だった体育館から、ご家族とともに親戚の家へ。今もそこで二次避難生活を送りながら、お仕事をされているそうです。

「気仙沼は、歴史的な生活文化圏としてはほぼ岩手県。【仮り住まいの輪】のニーズがあるとすれば“県内”にこだわるというより、そういった生活文化圏内で仮り住まいできることが重要なのでは」(三浦氏)

下田・三浦両氏のお話から、宮城・岩手で地元に残る方たちの「土地」に対する感覚が少しずつ見えてきました。
三浦氏からは、八瀬で地域の復興に取り組んでいる方をご紹介いただき、意見交換するとともに、現地での活動に関してご協力いただけることとなりました。

 

今後も【仮り住まいの輪】では、地域ごとの事情に寄り添ったサポート提供ができるよう、現地の方たちとコミュニケーションをとりながら、可能性を探っていきたいと考えています。
お邪魔させていただいた宮城・岩手の皆さん、どうもありがとうございました。

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